大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和41(あ)256 判決

主 文

原判決中「被告人Aに対する当審未決勾留日数中六十日を同被告人に対

する原判決の刑に算入する」との部分を破棄する。

その余の部分に対する本件上告を棄却する。

理 由

東京高等検察庁検事長松本武裕の上告趣意について。

記録によれば、被告人は本件賭博開張図利(第一審判決判示第四、第六)の事案

につき起訴前の昭和四〇年五月二〇日勾留状の執行を受け、その後一、二審を通じ

て引き続き勾留を継続されているものであるが、これよりさき、被告人は昭和三九

年一〇月五日長野地方裁判所松本支部において賭博開張図利、常習賭博の罪により

懲役一年二月に処せられ、昭和四〇年六月一五日右裁判の確定により、同年六月二

八日からその刑の執行を受け、その刑期は昭和四一年八月二七日に終了すべき筋合

であつたところ、被告人は本件第一審の判決に対し昭和四〇年八月七日控訴を申し

立て、原裁判所はこれに対し同年一一月三〇日控訴を棄却するとともに原審におけ

る未決勾留日数中六〇日を第一審判決の刑に算入する旨の判決を言渡したものであ

ることが認められる。

そうすると、被告人に対する本件の原審における未決勾留の全期間が右確定判決

の刑の執行と重複することが明らかである。従つて、原判決中原審の未決勾留日数

を本刑に算入した部分は、論旨引用の当裁判所の判例に反して刑法二一条を適用し

た違法があり、論旨は理由があるから、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、

四一三条但書により原判決中「被告人Aに対する当審未決勾留日数中六十日を同被

告人に対する原判決の刑に算入する」との部分を破棄し、その未決勾留日数を算入

しないこととし、その余の部分に対する上告は、上告趣意として何らの主張がなく、

従つてその理由がないことに帰するから、同四一四条、三九六条によりこれを棄却

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すべく、当審における訴訟費用は、同一八一条一項但書により被告人に負担させな

いこととし、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

公判出席検察官 臼田彦太郎

昭和四一年九月二二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 松 田 二 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

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